「ブラックリストってよく聞くけど、いったい何なんだろう?借金に関係するっていうのは知ってるけど...」
...今回はこういった疑問にお答えしていきます。
「借金を返さなかったらブラックリストになるぞ!」...なんて言葉を1度は耳にしたことがある人は多いかと思います。でも、そのブラックリストとは一体何なのかというと、おそらくそこまで知られてはいないでしょう。
そこで今回は、実際にブラックリストになっている私が以下をメインに解説していきます。
- ブラックリストとはそもそも何なのか?
- 載ったらどうなってしまうのか?
- 消えるまで何年の期間がかかるのか?
「自分がブラックリストかもしれない」...という人は周りに相談もしにくいでしょうから、ここでちょっとでも不安が解消できれば幸いです。
ブラックリスト=信用情報機関に事故情報が載ってること
まず結論から言うと、ブラックリストというのは信用情報機関に金融事故の情報が載ってることを指します。
信用情報機関とは...?
私たちの個人情報、およびクレジットやローンの返済履歴を管理している組織のこと。日本ではJICC、CIC、KSCの3社が存在する。
もちろんこれだけだとなんのことか分かりませんよね。もうちょっと詳しく説明します。
本当に紙のリストで管理しているわけではない
...そもそも「ブラックリスト」とはいうものの、実際に紙の名簿のようなものがあるわけではありません。
おそらく「金融事故の異動情報が〜」という言い方が分かりにくいので、ブラックリストと表現しているのだと思います。
- 間違い:ブラックリストという名簿で対象者は管理されている
- 正解:ブラックリストという名簿は存在しない
この説明はWikipediaに詳しく書かれてます。
金融業界では信用情報機関を通じて業者同士で事故情報(異動情報、借金の返済における事故)を共有することによって、借金申込者の事故情報の有無を確認をできるようになっている。
(中略)事故情報の有無が確認されて新たな貸出を拒否となった場合、借金申込者から見れば自分がブラックリスト(融資不適格者リスト)に掲載されてしまったという印象を与えて、このような言葉が発生したと考えられる。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ブラックリスト
金融事故を起こしてしまうと信用情報機関にそのデータが登録される
日本でクレジットカードを申し込んだり、ローンを契約するとその個人情報は申込先の企業だけでなく、上でも書いたCIC、JICC、KSCの信用情報機関3社にデータが登録されます。
3社すべてにデータが登録されるの...?
申込みをした企業が加盟している信用情報機関にのみ登録されます。たとえばCICのみに加盟している企業ならCICのみ、3社すべてに加盟していたら3社にそれぞれ登録されます。
登録されるのは「氏名、生年月日、性別、住所」といった基本情報、そして「現在の勤務先、各企業からの借入、各企業への返済履歴」といった金融情報です。
これらをまとめて『信用情報』と呼ばれたりもします。
簡単にいうと、この信用情報を見ればその人がちゃんとお金を返しているかが分かるということです。
つまり私たちクレジットカードなどを契約するとき、この信用情報を確認して「この人にカードを発行していいか?」を申し込まれた企業は判断しているんです。
いい加減な返済をしている人にクレジットカードを作ったらもしかしたら踏み倒されてしまうかもしれません。そういったリスクを踏まえて審査をしてるんですね。
しかし何らかの原因で「金融事故」を起こしてしまうと、その事故情報もしっかり信用情報機関に登録されてしまいます。
ブラックリストは新規借り入れがほぼ不可能になる
ブラックリストになると一体どんなことになるのでしょうか。1番のデメリットは 一定期間、「新規の借り入れ」がほぼ不可になるということです。
借り入れとは具体的に言うと以下を指します。
- クレジットカードの申し込み
- ETCカードの申し込み
- 各種ローンの申し込み
- 消費者金融からの借り入れ
- 携帯電話の本体分割(実質0円も含む)
- 賃貸物件の入居審査(信販会社が行う場合)...etc
ブラックリストになってしまうと、これらの契約の審査はまず通りません。クレジットカードが作れないのでネットショッピングがしづらくなったり、住宅ローンが組めなかったり、ETCが利用できないのはかなり不便ですね。
また携帯電話の端末も分割払いだと契約しにくくなります。実質0円というキャンペーンが流行っていますが、あれは「端末代金を割引して0円にする」システムなので分割払いに含まれます。
どうしても機種変したい!乗り換えしたい!...という人は端末を一括で買うか、一括0円で契約できる店舗を見つけるしかありません。
ちなみに自分から公言しない限り、家族や配偶者そして勤務先にあなたがブラックリストであることはバレません(もちろんカード否決のハガキを見られたりしてバレる可能性もありますが)。
もちろん絶対に審査に落ちるわけではないですが、信用情報機関を通して「私はブラックリストです!」...というのが申し込む企業には分かってしまうので、可決するのはまあまず無理でしょう。
これらの契約はブラックリストが消えるまでの一定期間続きます。
ブラックリストの主な原因は延滞、消えるまでの期間は5〜10年
では、ブラックリストになる金融事故とはどのようなものでしょうか。最初に分かりやすく言うと、借りたお金を返さない、もしくは返せないと金融事故になります。
金融事故の原因と消えるまでの期間はこちらです。
ブラックリストの原因 | 消えるまでの期間 |
3ヶ月(61日)以上の延滞を完済していない | ずっと掲載される |
3ヶ月(61日)以上の延滞を完済 | 5年 |
債務整理 | 完済から5年 |
自己破産 | CIC:免責から5年 JICC:免責から5年 KSC:免責から10年 |
上の表の期間、ずっと待っていればブラックリストの情報は消えます。私も経験があるので分かりますが、カードが作れなくて辛いと思っても時間しか解決してくれないので、とにかく待つのが大切です。
何らかの手違いによる情報ミス以外で、この事故情報を消すことはできません。
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3ヶ月(もしくは61日)以上の延滞:消えるまでの期間は5年
最もよくある原因が支払いの延滞です。クレジットカードやローンなどの支払いを3ヶ月、もしくは61日以上延滞してしまうと金融事故(ブラックリスト)として登録されてしまいます。
延滞金を完済してから5年間はブラックリストの情報は消えません。完済していなければ半永久的に残り続けます。
見落としがちなところだと「携帯電話の端末の分割契約(実質0円も含む)」もローン扱いです。電話料金の延滞がブラックリストに直結するので注意してください。
意図して払わないのももちろんダメですが、「たまたま口座にお金がなく、引き落としの督促にも気づかなかった」という場合もアウトなので気をつけましょう。
逆に言えば1ヶ月ほどの遅延を何度も繰り返しているぐらいであれば、すぐにはブラックリストにはならないでしょう。しかし、あまりに悪質だとこちらも事故情報として登録されることがあります。
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自己破産が適用されるとブラックリスト:消えるまでの期間5〜10年
自己破産をして免責が適用されるとこちらも事故情報として登録されます。
いろいろな事情があるにせよ、借りたお金が返せなくなって自己破産をするわけですから、こうしたペナルティがあるということですね。
ブラックリストの情報が消えるのはCICとJICCは免責日から5年。KSCは免責日から10年もかかります。
KSCの加盟店は銀行が多いので、例えば銀行ローンを契約するときに10年間は自己破産してることがバレてしまうということです。
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任意整理:消えるまでの期間は5年
任意整理を行った場合、減額された借金が完済されてから5年間はブラックリストのままです。
ただし信用情報機関には任意整理を行ったという事実は登録されず、CICなどの扱いとしては上で書いた3ヶ月以上の延滞と同じになります。つまり借金を返している間はブラックリストの消える期間としてはカウントしないと言うことです。
唯一JICCが信用情報機関の中で「任意整理が通知されてから5年間」ブラックの情報として残ります。CICとくらべると先に解消されることが多いでしょう。
しかし多くのカード会社、ローン会社ではCICをチェックするところが多いですから、JICCの情報が先に消えてもCICを見てブラックだと分かってしまいます。結果、CICの事故情報が消えるまでは審査を通ることは難しくなるでしょう。
ブラックリストかどうかは信用情報の開示で確認できる
ブラックリストに載っているかどうかは、信用情報機関のデータを開示することで確認できます。
ここからは信用情報機関の代表とも言えるCICの開示を見ていきましょう。開示の方法は以下の3つです。
- パソコン/スマホから申込
- 郵便から申込
- CICの窓口で申込
CICの信用情報開示には「クレジットカード、ローンを契約した当時の電話番号」が必要です。なければその当時の信用情報は見ることができません。
それぞれの開示の詳しい手順はCICのホームページから確認が可能です。
- CIC公式サイト:情報の開示について
もっとも手軽にできるのはインターネットの開示ですが、開示手数料の支払いにはクレジットカード(一部デビットカード)が必要でブラックリストの人だと用意が難しいかも知れません。
CICは全国に開示窓口がいくつかあり、支払いは現金なのでもし場所が近いならこちらで開示してみるといいでしょう。
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開示したデータに「異動」と載っていればブラックリスト確定
以下は実際にCICで開示した私の信用情報になります。
いろいろと情報量が多いですが、とりあえず画像の赤丸、青丸、緑丸のところが分かれば大丈夫です。
まず、赤丸は「26. 返済状況」。クレジットカードやローンの返済データがここに載りますが、金融事故を起こすとここに『異動』と書かれてブラックリスト入りです。
延滞による強制解約で終了の場合、下の終了状況に「完了」と書かれます。自己破産適用だと「法定免責」と書かれます。
何度も言うように、CICに加盟しているカード会社やローン会社は、審査のときに申込者のCICデータをチェックします。この異動情報があるとまず可決しません。
そして、青丸は「入金状況」。アルファベットは以下の意味を指します。
- $:請求日までに入金があった
- A:請求日までに入金がなかった
自分がブラックかも知れない、あるいはカードの審査になかなか通らないという人は、異動情報が書かれていたり、入金状況のどこかにAのマークが連なって並んでいるはずです。
最後の緑丸は「2. 保有期限」です。このブラックリストの情報がいつまで残るかが書かれています。
例えば延滞でのブラックリストだと、完済した月の5年後の日付がここに書かれます。画像では「令和元年6月末日」と書いていますが、実際に消えるのは7月初日です。
もし延滞中のままなどで契約が終わっていない場合は保有期限には何も書かれません。
保有期限に関してはこちらの記事も参照してください。
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おわりに
以上、ブラックリストになる原因と消えるまでの期間について解説しました。
長くなったので大事なところをまとめます。
- 「借りたお金を返せない人」がブラックリストになる
- ブラックリストになるとカード、ローンがまず契約不可
- 延滞したお金を返してから最低5年は消えない
ブラックリストは借りたお金さえ返せば一生残るものではありません。でも、5年間もクレジットカードやローンが申し込めないのはかなり痛いですよね。
もしもブラックリストになった人がいたら、今後はしっかりとお金の計画を立てて生活を送るようにしましょう。
関連リンク:ブラックにも甘いクレジットカード・カードローン
...上では「ブラックリストは消えるまでひたすら待つしかない」と書きましたが、実はブラックでも審査が通りやすいクレジットカード、カードローン、ETCカードは存在します。
私もブラックリストに載ってからほとんどのクレジットカードやカードローンに落ちましたが、それでも数枚は審査に通過して所有しています。
さすがに「誰でも必ず通る」わけではありませんが、それでも審査基準は他のカードやローンより甘めですね。
興味のある方は下の記事リンクからどうぞ。
本日は以上です!