「CICを開示してみたけど、『入金状況』に並んでるAとか$のマークってどういう意味なんだろう?」
...今回はこういった疑問に答えていきます。
信用情報機関の1つであるCICでは、「信用情報開示報告書」といって私たち個人の直近24ヶ月分のカードの支払いデータを開示して見ることができます。
その開示データの下の「入金状況」という項目にはずらっとアルファベット記号が並んでいますが、これはいったいどういう意味を指しているのでしょうか?
実はこの記号、「その人がクレジットカードの返済をしているか」がすぐに分かるようになっているんです(ローンの支払いも同様です)。詳しく解説していきますね。
CICの記号はカードの引き落としがあったかどうかを表している
すでにCICのデータを開示した人はご存知でしょうが、下記のような内容になっています。この中で「入金状況(赤枠)」にはいくつかアルファベットのような記号が並んでいますね。
実際に開示した私のCICの信用情報開示報告書
この記号の意味は、上でも書いているように「カードの引き落としがあったかどうか」で変わります。
入金状況の記号 | 意味 |
$ | 請求日に口座に入金があった |
P | 請求日に口座に一部のみ入金があった |
A | 請求日に口座に入金がなかった |
R | 請求日に契約者以外から入金があった |
B | 契約者の事情とは無関係で入金がなかった |
C | 入金なしで原因も不明 |
ー | 請求も入金もなし(カードの利用がなかった) |
空欄 | カード会社からの情報の更新がなし |
CICのデータはカード契約者本人以外に、新しく申し込んだクレジットカードの会社も見ることができます。つまり、カード発行の審査にはこれらの記号がそれぞれ大きく影響するということです。
私たちに関係する記号は4つ:
入金状況の記号はぜんぶで7つ。数が多くてややこしいですが、この中で$、P、A、ー、の4つが特に私たちに関係します。
つまりこの記号を見れば、「11月はちゃんと入金してたけど、12月は仕事が忙しくて入金が遅れたから気をつけなきゃ...」というような状況を思い出すことができます。
24ヶ月以上のデータがあると、古いものから1ヶ月ずつ消えていくよ
$やーの記号が並んでいるCICが理想的
CICの入金状況にとってベストな状態は、「$(ドルマーク)」か「ー(ハイフン)」の記号ですべて埋められていること。これらは新しくクレジットカードを作るとき、マイナス要因になることはありません。
- $:ちゃんと入金があったのでマイナス要因にはならない
- ー:カード自体を使わなかったのでマイナス要因にはならない
特に$$$$$$$$....と連続して続いていればいるほど、カード会社は「この人は遅れずに支払いを行ってくれている」と判断するので審査は有利になります。
PやAの記号はカード審査ではマイナスになる
逆に「P」や「A」のマークがCICに載っていると、審査ではあまりよくありません。たとえ後からちゃんと払ったとしても一時的に入金が遅れたことに違いはないのでマイナスに作用します。
上で私が載せている信用情報開示報告書にはPA$$$$A$...といろいろな記号が混在。カード会社からしたら「払ってる月と遅れてる月があるから、支払いがルーズな人なのかな?」と、審査でマイナスな印象を持たれてもおかしくありません。
デビットカードではCICに記号は付かない:
クレジットカードとは別にデビットカードというものもありますが、こちらをショッピングで使ってもCICの入金状況に記号は付きません。
なぜならデビットカードを作っても、その申し込み情報はCICに登録されないから。デビットカードは即時引き落としなのでお金を使いすぎる心配がなく、後払いのクレジットカードと違って審査なしで作ることができます。
- CICへの登録:クレジットカードやローンなど「後払いサービス」が対象
クレジットカードの世界にはコツコツ信用情報を積み上げる「クレジットヒストリー(クレヒス)」という言葉がありますが、デビットカードでクレヒスを作ることはできないので気をつけましょう。こちらの記事も参考にしてください。
長期の延滞が続くとブラックリストになる
ではちゃんと支払いができず、追加の入金ができなかった場合、CICのデータではどうなるのでしょうか?
こちらも結論から言うと、延滞が3ヶ月(もしくは61日)以上続くとCICに「異動」と載ってブラックリストになってしまいます。
私が開示したCICのデータにも、真ん中あたりに「26.返済状況 『異動(青枠)』」という文字がありますね。ブラックリストになるとクレジットカードの審査にはまず通ることができません。
「異動」の下には「31.終了状況 『完了』」と書かれていますが、これは「延滞したお金はすべて完済しましたよ」...ということです。もしまだ延滞が続いている場合、この項目は空欄になります。
ブラックリストは最低でも「5年間」は消えない
ブラックリストは解除されるまでも長く、最低でも5年間は異動情報は消えません。
原因 | 期間 |
3ヶ月以上の延滞(未払い) | 延滞している間ずっと |
3ヶ月以上の延滞(完済) | 完済から5年 |
債務整理 | 5〜7年 |
自己破産 | 5〜10年 |
ちなみに人違いなどで誤ってブラックリストになってしまったときは例外で、CICに申請すればすぐ消えます。これ以外でブラックリストを期間内に消すことはできません。
自分がブラックかどうか知りたい!...という人はとりあえずCICを開示してみましょう。パソコンではデビットカードでも開示はできますが、利用できるカードに縛りがあるので気をつけてください。
おわりに
以上、CICの記号はクレジットカードの入金状況によって変わるよ...という記事でした。
PやAの記号はカード会社の請求日から1日遅れただけでもCICに登録されてしまいます。「ちょっとぐらい遅れても平気だろー」と思っていると他のカードに通りづらくなるのでちゃんと決められた日までに口座に入金してくださいね。