「お金がないから国保払えない...滞納したらブラックになるのかな?」
...今回は国民健康保険(国保)を滞納するとブラックリストになるのかについて書いていきます。
サラリーマンなど会社勤務をしている人は給料から自動的に社会保険が引かれていますが、フリーターや自営業などの方は自分で国民健康保険を申請して払わなければなりません。
しかし収入によっては、毎月2万円近い保険料を払うため、お金に困っている人にとってこれは手痛い出費です。中には滞納してしまって「ブラックリストになったらどうしよう...」という方もいるでしょうから参考にしてください。
国民健康保険(国保)は滞納しても原則ブラックリストにならない
まず結論からいうと、国保を滞納しても基本的にはブラックリストにはなりません。
たとえ何ヶ月も払わずに自宅にどんどん督促状が届いても、クレジットカードやローンの審査には全く影響しないので安心してください。
基本的には...と前置きしたのは、下の3つの支払い方法のうち、1と2の方法で国民年金を支払っている人はブラックリストには登録されないからです。
- 振込用紙での支払い:滞納でもブラックリストには「ならない」
- 口座引き落としでの支払い:滞納でもブラックリストには「ならない」
- クレジットカード決済での支払い:滞納でブラックリストに「なる」
3の『クレジットカード決済での支払い』をしている人については後述しますね。
もちろんどの支払い方法でも長い間国保を滞納していると、医療費が全額負担になったり、お給料や口座が差し押さえになるケースもあります。特に医療費の10割負担はなかなかきついので、滞納している人がいたら早めに最寄りの役所で相談してください。
ちなみに国民年金の滞納も、国保と考え方は同じです。
【関連記事】国民年金を滞納したらブラックリストになるの?カードやローンの審査に影響があるのか解説
国保を扱う市区町村はCICなどの信用情報機関に加盟していない
ではなぜブラックリストにならないかというと、これは信用情報機関に国民健康保険を扱う自治体が加盟していないからです。
日本には以下の3つの信用情報機関があって、私たちの氏名、住所、勤務先、クレジットカードやローン契約・返済状況はここで管理されています。
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
...ここでは最も代表的な信用機関のCICをもとに話を進めていきますね。JICCやKSCでも基本的な内容は一緒だと思ってください。
たとえばお金が足りずクレジットカードの支払いを61日もしくは3ヶ月以上も滞納してしまうと、その履歴はCICに「事故情報(異動情報)」としてデータが残ります。この事故のデータが「ブラックリスト」と呼ばれるものです。
以下は私が開示したCICの情報ですが、真ん中あたりの赤丸のところに「異動」と書かれています。これがブラックリストを示すものです。
長い間滞納すると「異動」と登録されてブラックリスト確定
クレジットカードを作るとき、申し込まれた企業はCICに登録されたデータを見ることができます。ここで私のように事故情報が登録されていると、まずカードの審査は通りません。
お金を返さない人は信用が下がるのと似ていますね。この事故情報が消えるにはどんなに短くても5年かかってしまうのですが、さっきも書いたように国保を扱う市区町村のような自治体はCICには登録していません。
企業 | CIC加盟 |
クレジットカード会社 | している |
ローン会社 | している |
消費者金融 | している |
銀行 | している |
リース会社 | している |
国民健康保険を担当する自治体 | していない |
CICでは主にクレジットカード会社、ローン会社、銀行など「後払い契約」のサービスを扱っている企業が会員になっています。自治体は会員ではないので、いくら国保を滞納しても、事故のデータが登録されることはありません。
まあ、保険料を払わないのはもちろん褒められたことじゃないんだけどね...
国民健康保険がクレジットカード納付だと滞納でブラックリストになる
さて、振込用紙や口座引き落としとは違って、クレジットカードで国民健康保険を払っている人は滞納するとかなりマズイです。
くり返しになりますが、クレジットカード会社はCICに加盟しています。つまりカード払いの国保の滞納を61日もしくは3ヶ月以上続けてしまうと、事故情報がデータで残るのでブラックリストになります。
これは振込用紙も口座引き落としも保険料は担当の自治体に直接払っているけれど、クレジットカードの場合は一旦カード会社が立て替えて払っているからです。
- 振込用紙:保険料はそのまま払っている
- 口座引き落とし:保険料はそのまま払っている
- クレジットカード:カード会社が一旦立て替えて保険料を払っている
ブラックリストになるとしばらくクレジットカードの審査には通りませんし、いま使っているカードも強制解約されてしまうこともあります。クレジットカードが使えないとネットショッピングなどで不便なので、可能なら避けたいところですね。
国保をクレジットカードで払えるのは一部の自治体のみ
国保をクレジット払いできるかは自治体ごとによって違います。基本的には一部の市区町村でしかクレジット払いはできません。
「自分はカードで国保を払ってたっけ?」...という人は役所の国民健康保険の窓口で確認してみましょう。もしクレジットカードで払っていて滞納しそうであれば、早めに口座引き落としに切り替えるだけでもブラックリスト登録を避けることができます。
また下記のサイトでも国保のクレジット払いができる自治体がまとめてあるので参考にしてください。
携帯電話の分割払いも滞納するとブラックになる:
電気、ガス、水道と並ぶライフラインの1つになっている携帯電話代(スマホ代)ですが、こちらも滞納するとブラックリストになる可能性がとても高いです。
それはなぜかというと、ほとんどの人はスマホの端末を「分割払い」で契約しているから。分割払いはその場で端末代を全額払う一括払いと違って「ローン契約」になるので、3ヶ月以上の延滞でブラックリストになります。
いやいや、ウチは『実質0円』で契約してるから本体代はかからないよ...という人もいるでしょうが、実質0円は支払った端末代と同じ料金を毎月値引きするシステム。結局、端末代が払われないとブラックになるのは変わりません。
- 一括払いのスマホ:滞納しても電話は止まるがブラックにはならない
- 分割払い(実質0円)のスマホ:滞納すると電話が止まりブラックになる
もちろん一括払いや、分割払いの支払いがすべて終わっていれば滞納してもブラックリストにはなりません。しかし今は高価なスマホを契約している人も多く、長期で端末代を払っている人もかなりいるでしょう。
とにかくスマホ代は延滞しないように気をつけてください。分割払いでの滞納については下記記事でも詳しく書いています。
国保の差し押さえを避けたいなら早めに役所に相談をしよう
「でも滞納してもカードの審査に影響ないんなら、わざわざ国保なんて払わなくていいんじゃない?」...と楽観的な人もいるかもしれませんが、上でも書いたようにずっと国保を払わないと医療費の負担が大きくなるし、最悪のケースだと財産を差し押さえられてしまいます。
- 間違い:国保を払わなくても何も起きない
- 正解:払わないと医療費は10割負担で最悪は差し押さえも起きる
何度もくり返しますが、生活が苦しくて払えない...と困っている方は早めに最寄りの役所の国保の窓口で相談してください。国民年金とは違い全額免除を受けるのは難しいですが、収入が少なかったり倒産による失業であればある程度軽減することも可能です。
あるいは、滞納している保険料を分割ですこしずつ納付することもできます。私もしばらく滞納していた保険料があったのですが、役所で相談したところ係の人は怒らずに分割納付の手続きをしてくれました。
国保は確定申告のときに控除が受けられる
国民健康保険は年金と同じで、その年の1月〜12月までに払った額だけ確定申告で控除を受けることができます。うまくいけば来年度の税金や保険料を節約することができるので活用してください。
ブラックリストにならなくても、国保の支払いを放置していいことはありません。差し押さえをされないように、早めに対策をとりましょう。
おわりに
以上、国保はクレジットカードで払わなければブラックリストにはならないよ...という記事でした。
クレジットカードも1ヶ月ぐらい支払いが遅れるぐらいなら大丈夫ですが、これ以上滞納するとブラックリストになるリスクがグンと上がります。早めに口座引き落としに切り替えて、分割で納付していきましょう。
...もしどうしても自分でお金が用意できなければ家族や友人に借りるか、メルカリなどで私物を売るか、カードローンやキャッシングを利用するのがおすすめです。ただしお金を借りたもののそれが返せなくなっては元も子もないので、借入は計画的に自分が返済できる範囲でしてくださいね。