「あ、使ってないデビットカードの年会費、そういや口座に入れてなかったわ。払わなかったらどうなるんだろう?」
...今回はこういった疑問にお答えします。
デビットカードには年会費が無料のものと、1,000円程度の有料のものの大きく2つに分けられます。デビットカードは支払いごとにすぐに口座から引き落とされる「即時決済」ですが、年会費は「毎年決まった日に引き落とし」される例外です。
しかしいざデビットカードを作ったものの、いつの間にか使わなくなり年会費が必要なのに口座に入れ忘れてた...なんて人も多いと思います。
クレジットカードを滞納すると最悪ブラックリストになってしまいますが、デビットカードではどうなるのか解説していきますね。
デビットカードの年会費は未払いだと督促が来る
まず結論から言うと、デビットカードの年会費が未払いだと督促が来ます。あまりにも悪質な場合は法的措置の可能性があるのでなるべく早めに払いましょう。
たとえば三菱UFJ銀行が発行するデビットカード、『三菱UFJ-VISAデビット(年会費 税込1,080円)』の会員規約の第11条、第14条にはこのように書かれています。
第 11 条(債権の譲渡)
会員は、当行が会員に対して有する立替金債権等を第三者に譲渡すること、 その際に会員の個人情報を当該債権等の譲受人である第三者に提供することに ついて、あらかじめ異議なく承諾するものとします。
第 14 条(遅延損害金)
会員は、当行に対する債務を履行しなかった場合には、支払うべき金額に対 し、年 14%の損害金を支払うものとします。この場合の計算方法は年 365 日の 日割計算とします。
つまり払われていない年会費は「立替金債権」に含まれ、このお金は第三者(多くの場合は債権回収会社)に渡されます。そして支払いが完了するまでは、年利14%の損害遅延金が1日単位で加算されていきます。
1日でも早く年会費の支払いを終わらせよう
まとめると、デビットカードの年会費の支払いが遅れたときの企業の対応は、クレジットカードやローンと一緒だということ。もちろんカード利用も停止します。
- クレジットカード:支払いが遅れると督促が来る
- 各種ローン:支払いが遅れると督促が来る
- デビットカード:年会費の支払いが遅れると督促が来る
たとえ1,000円程度の未払いでも、督促状はバンバン送られて来るでしょうし、上でも書いたように長引けば訴訟を起こされることも。
「いやいや、たかだか1,000円ぐらいで訴訟なんて大げさな」...という人もいるでしょうが、裁判を起こすかどうかは対応している企業次第。リスクをできるだけ低くするなら、1日でも早く滞納している年会費を払いましょう。
未払いの年会費はデビットカードの口座に入金で解決する
では未払いの年会費を支払うにはどうすればいいのか?これはカンタンで、デビットカードの口座に年会費分のお金を入金すればOK。一部「金融機関の指定する口座へ入金」などの例外があるかもしれませんが、基本的にはこれで解決します。
たとえば、三菱UFJ-VISAデビットの公式サイトQ&Aからの引用はこちら。
[VISAデビット]
年会費引落日当日に決済口座にご入金いただけた場合は引き続きご利用いただけます。
カードのご利用が停止した場合でも不足額を期限内(*)に決済口座にご入金いただければ、翌営業日に引き落とされ、さらにその翌日よりカードをご利用いただけます。
デビットカードごとの入金方法を知りたい方は、銀行のコールセンターに問い合わせるか、督促状に入金の方法が書いているのでその指示に従うのが確実です。
ネット銀行のデビットカードは年会費が無料のことが多い:
そもそもどのデビットカードで年会費が発生するのかというと、大半は「都市銀行」や「地方銀行」など実店舗が存在する金融機関のカードがほとんどです。不安な人はネットで「カード名 年会費」と検索してみてください。
逆にネット銀行のように実店舗の支店が存在しない金融機関のデビットカードは基本的に年会費はかかりません。下に書くのはその一例です。
- ジャパンネット銀行:JNB Visa デビットカード
- 楽天銀行:楽天銀行デビットカード(JCB)
- イオン銀行:イオン銀行CASH+DEBIT
- 住信SBIネット銀行:Visaデビット付きキャッシュカード
- セブン銀行:セブン銀行デビット付きキャッシュカード(JCB)
- スルガ銀行 ANA支店:Financial Pass Visaデビットカード(Visa)』
- ソニー銀行:Sony Bank Wallet(Visa)...など
新しくデビットカードを作りたいけど年会費がかかるのはイヤ!...という人はこうしたネット銀行のデビットカードが狙い目です。個人的におすすめしているのはポイント還元率の高い『楽天銀行デビットカード』。
下の記事にカードの詳細を書いているので、参考にしてください。
デビットカードの年会費が未払いでもブラックリストにはならない
デビットカードの年会費を払い忘れた人が心配するのが「ブラックリストになってクレジットカードが作れなくなるんじゃないか?」...というもの。
こちらに関して言えば、まったく心配ありません。
デビットカードの支払いを滞納してもブラックリストになることはないんです。どうしてブラックリストにならないかというと、銀行がデビットカードを発行するとき、私たちの信用情報機関のデータをチェックしないから。
- 信用情報機関:私たちの氏名、住所、勤務先、カード返済状況などを管理する組織
そもそもブラックリストをざっと説明すると、クレジットカードやローンを3ヶ月以上延滞、もしくは債務整理をして信用情報機関に「金融事故」のデータが登録された状態を指します(詳しい内容はこちらの記事も参照)。
以下は実際に私が開示した信用情報機関の1社である「CIC」のデータ内容です。赤丸の「異動」が金融事故を起こしたことを示しています。
「異動」が書かれているとブラックリスト確定
カード会社は審査のときに、信用情報のデータを見ることができるので、異動と書かれている人はまず通りません。借りたお金を返さない人が信用を失うのと同じですね。
この異動データは最低でも5年間は解除されないのでクレジットカードを作るのがかなり難しくなってしまうんです。これが世間でいう「ブラックリスト」の状態になります。
私もブラックリストだけど5年は長いよー
デビットカードでクレヒスを積み上げることはできない
しかしデビットカードは「即時決済」のカード。「後払い」のクレジットカードや住宅ローンなどと違ってお金を使いすぎることがないので、今までの返済状況などの審査なしで作れてしまいます。
ちなみにデビットカードで「クレジットヒストリー(クレヒス)」という、信用情報を積み上げるトレーニングのような行為はできません。信用情報を見なくても作れるカードなので、クレジットカードのような返済状況は信用情報機関には残らないんですね。
デビットカード発行の銀行でローンなどの融資を受けるのは絶望的
デビットカードを滞納してもブラックリストにはなりませんが、発行した銀行となると話は別。
デビットカードの年会費を滞納したという情報は銀行の社内データにしっかりと残るので、今後その銀行で住宅ローンの融資などが通らなくなる可能性があります。いわゆる「社内ブラック」もしくは「要注意人物」扱いです。
- 信用情報機関:デビットカードを滞納しても情報は残らない
- 発行した銀行:デビットカードを滞納したら情報は残る
こればかりは個人で頑張ってもどうしようもないので、もしローンなどを借りるときは滞納したところとは別の銀行で申し込みましょう。社内ブラックであれば銀行が変われば問題なく申し込むことができます。
おわりに:使わない有料デビットカードは早めに解約しよう
以上、デビットカードの年会費が未払いだと督促が来るよ...という記事でした。
口座をつくるときに一緒にデビットカードも勧められた...という人もいると思いますが、使わないのに年会費がかかるデビットカードは持っていてもお金のムダなので、さっさと解約してしまいましょう。
デビットカード裏面にコールセンターの番号が載っているのでそこから手続きします。
今はネット銀行をはじめとして無料で作れるデビットカードはたくさんあるので、負担を少なくしたいならそちらがおすすめです。